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【コラム】定番野菜人参の魅力~下処理で七変化~

【コラム】定番野菜人参の魅力~下処理で七変化~

コラム

一年中出回るポピュラーな野菜である人参ですが、下処理の方法によって用途が変わってきます。
今回は、人参の栄養価や下処理についてお教えします!

一年中出回る人参の旬

定番野菜の代表格である人参。
人参の旬は意識しづらいですが、実は「春」と「秋」の2回ピークが来ます。
人参の生育適温は20℃前後とされていますが、産地によって秋~冬人参と、春~夏人参に旬が分散することで、一年中店頭に並ぶこととなります。その中でも代表的な産地は北海道。人参全体の3割ほどのシェアをほこり、秋に出荷のピークを迎えます。

人参の出荷状況のグラフ

食卓に欠かせない優れた栄養価

明るいオレンジ色がトレードマークですが、この色素成分がβ-カロテンです。
β-カロテンは体内でビタミンAに変わる物質で、英名「carrot(キャロット)」が「カロテン」の語源であることからも分かるように、人参は野菜の中でトップクラスの含有量を誇ります。

ベータカロテンTOP10表

人参を半分(約100g)食べれば、成人が1日に必要なビタミンA量をまかなえますから、栄養面からも彩りからも食卓に欠かせません。
β-カロテンは皮膚や粘膜を強くし、免疫力を高めてくれるので、風邪の予防にも効果的。油と一緒に摂取すると吸収率が高まりますから、生でサラダやジュースにするときも少量のオリーブオイルやナッツ類など油脂分を足してあげると良いでしょう。
また、皮付近に香りや栄養成分が豊富に含まれるため、皮はなるべく薄く剥くか、皮付きの調理をおすすめします。

下処理で七変化する人参を使いこなす

定番野菜だからこそ、使い方のバリエーションも色々。
下処理別に引き出せる人参の魅力と活用法を整理してみました。

●すりおろし 
発色の美しさと香りを活かす

ジュースやドレッシングに大活躍
加熱ミートソースやカレーのベースとして旨みをプラス。
人参メインのスープやリゾット、ケーキなど粉ものに混ぜこんでも大活躍。
すりおろし人参の活用

●千切り 
厚みを変えることでさらに変化。
大量摂取にオススメ

人参ラペやナムルなど、油をプラスして彩りの良いサラダに
加熱肉巻き、かき揚げなどでメインのおかずに組み合わせる
細かい千切りで作る「人参しりしり」は人参嫌いを克服する代表メニュー
人参ラペ
かき揚げ

●ピーラー 
リボン状のフォルムが美しい

マリネ液につけて常備菜に
加熱バターで蒸し炒めにしたリボン状ソテーは付け合わせに万能
ピーラー人参のソテー

●スティック 
人参らしさを味わえる抜群の食感

ディップを添えて前菜に
加熱ホイル焼き風のグリルなど
人参ホイル焼き

その他、いちょう切り(スープ形)、乱切り(ポトフや煮物全般)、角切り(炊き込みご飯)など、幅広く使えることはご存じの通りかと思います。

葉付き人参は野菜とハーブのハイブリッド

葉付き人参

さらに注目すべきは「人参の葉」。春や秋口には、直売所を中心に葉付き人参が出回ります。葉はβ-カロテンの他、カルシウムやビタミンCを含み、特有の芳香があります。人参はパセリやセロリ、三つ葉と同じ「セリ科」ですので、まさに葉っぱは「ハーブ」。
劣化しやすいため、すぐに根の部分と切り離し、切り口を湿ったペーパーなどで包んで葉はふわっとポリ袋をかぶせるか湿った新聞紙に包んで冷蔵庫で保存しましょう。茎から葉を外してまとめて冷凍しておくこともできます。
「葉っぱふりかけ」で常備菜にするのも良いですし、サラダやスープ、パスタなどにどんどんトッピングするのも良いですね。食卓に栄養価と香り、彩りをプラスするのに大活躍します。

人参の葉トッピングイメージ

筆者
高崎 順子

農学部卒業後、食品メーカーでの商品開発、食マーケティングを担当し、2014年に野菜ソムリエ上級プロの資格を取得。30年以上野菜一筋の生活を送る。
現在は、企業や自治体のセミナー講師、各種料理教室を開催しながら、「親子横浜野菜キッチン」を主宰し、子どもとファミリーに向けた食育活動に力を入れる。「野菜で伸ばす、生きるチカラ。」がモットー。

高崎順子

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